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From Hachioji with Love

Movie/Anime/Sports/Jazz/Podcast

再現性の高い『面白いプレゼンの作り方』

Bussiness

1.はじめに

 職種によって異なりますが、大学生やサラリーマンには、プレゼンをする機会が山ほどあるかと思います。そして、たかがその結果如何が、学生やサラリーマンとしての評価を大いに左右したりもします。

 趣味や自己満足のレベルでやるならまだしも、そういう環境に身を置かれている方であればきっと「より良いプレゼンがしたい!」と思われているのではないでしょうか。

 ここでは「より良いプレゼン」を「より人を惹き付ける」、さらには「より楽しませる/より好奇心を抱かせることで、人を惹き付けるプレゼン」と解釈したうえで、その作り方を、誰にでも再現できるようなハウツーとしてご紹介したいと思います。

 

2.「面白い」とは

 再現性の高いハウツーとするべく、言葉の意味をWikipediaから引用し、より具体的に解釈します。

楽しい:危険に結びつかない驚きを感じること
好奇心:恐怖や怒りに転化しない驚きを感じること

また、両者に共通するワードである「驚き」については以下の通り

驚き:動物が、予期しない事象を体験したときに起こる、瞬間的な感情。

 つまり、これらをまとめると、「人を楽しませるプレゼン」とは、「危険に結びつかず、予期されない事象を体験させることができるプレゼン」であり、「好奇心を抱かせるプレゼン」とは、「恐怖や怒りに転化しないような、予期されない事象を体験させることができるプレゼン」だと言い換える事が出来ます。

 

3.プレゼンのスキームについて

 さて、本題の「面白いプレゼンの作り方」について触れたいと思います。スキームについては、以下の通りになります。

①リサーチ

 「面白さ」を提供したいと思うのであれば、すなわち前提として「驚き」を提供しなければなりません。(驚きという円の中に面白さという円が含まれたベン図を創造してください。)

 「驚き」とは、前述したように「予期しない事象の体験」で発生する訳ですから、まずは『対象が予期している事』を想定すれば良いわけです。つまり、始めにやらなければいけないことは「対象の考えていそうな事調査」になるわけです。

 ここでは『アメトーーク大谷翔平すごいぞ芸人」』を例として紹介します。


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例)アメトーーク大谷翔平すごいぞ芸人」

『対象』
When:「平日0時頃」に
Where:「日本国内在住」の
How:「テレビ番組」という手段で接触できる
Who:アメトーーク視聴者層(若年〜中年までの男女だと予想される)

 彼らは「大谷翔平という存在を認識している一方で、彼について「すごい野球選手」という程度の認識しか無い人が多いと考えられる。(実際にはアンケートや既存の統計データで裏付けをとっていると思います。)

 つまり「大谷翔平の具体的なすごさ」について、「視聴者(対象)が予期している以上の情報」を与えることで、「驚き」を与える事が出来ると考えられる。

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 こんな具合に、まずは対象をもとに、提供すべき「驚き」が想定できます。もちろん、危険・恐怖・怒りを与えないよう留意することもお忘れなく。

 

②枠組みに当てはめる

 提供すべき「驚き」が想定できたら、あとは、それを通して「納得させたい」のか「説得したい」のかによって、2つの枠組みのいずれかに当てはめれば、面白いプレゼンの大枠が完成します。

 

A)説得したい→演繹法

 もし、説得したいと考えるのであれば、「演繹法」を用いるべきです。

演繹法:一般的・普遍的な前提から、より個別的・特殊的な結論を得る論理的推論の方法

人間は皆死ぬ(大前提)
徳川家康は人間である(小前提)

徳川家康は死ぬ」といった具合です。いわゆる三段論法ってやつですね。プレゼンの長さに応じて、大前提・小前提に説明や具体例、裏付けなんかを付けることで肉付けができます。

 

B)納得させたい→帰納法

 もし、納得させたいと考えるのであれば、「帰納法」を用いるべきです。

帰納法:個別的・特殊的な事例から一般的・普遍的な規則・法則を見いだそうとする論理的推論

リンカーンは死んだ
坂本龍馬は死んだ
・マイケルジャクソンは死んだ

「人間は皆死ぬ」といった具合です。こちらも、プレゼンの長さに応じて、大前提・小前提に説明や具体例、裏付けなんかを付けることで肉付けができます。

 ちなみに上記の「大谷翔平すごいぞ芸人」では、こちらの帰納法を採用していますので、こちらも例として紹介します。

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例)アメトーーク大谷翔平すごいぞ芸人」

①「ピッチングがすごい」
 →裏付け
②「バッティングがすごい」
 →裏付け
③「走っても守ってもすごい」
 →裏付け
④「人間性がすごい」
 →裏付け
  →裏付けの裏付け

つまり「大谷翔平はすごい!」
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③伝わるプレゼンにする

 最後に形を整えれば、晴れてプレゼンの完成です!...が、これについては他の書籍やブログを参考にされる事をおすすめします。ここまで文章を書いてきて、さすがに飽きが来たというのもありますが、自分以上に場数を踏み、表現力に自信のある方は、もっと沢山いると思いますので...笑

 ちなみに筆者のおすすめは、「スピーチ世界チャンプの魅惑のプレゼン術|ジェレミー・ドノバン」です。(プレゼン本はこれしか読んだ事が無いんですけどね...)アフィだの乞食だの言われるのは癪なので、ご自身でググってみてください。笑いの取り方の項は、しっかりと笑いが科学されているので、プレゼンの度に参考にしています。 

 

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 ここまでお読み頂き、ありがとうございました。もしこの記事が、日々戦うサラリーマンや大学生の一助となっていれば幸いです。プレゼン指導をさせていただく機会を頂いたので、もののついでに記事として書き起こしてみましたが、いかがでしたでしょうか?気づけば最後の更新から一ヶ月以上経過していたので、あわてて更新した次第です...笑

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 では、次回の記事でお会いしましょう。

(  ◉ᴗ◉ )_┳※・・・・・・・・・・・

 

【年末】2016年『邦画』ランキング トップ5|”味わい方”を変えれば『君の名は。』よりも面白くなる映画たち

Movie Anime

 2016年は新作・旧作を合わせて、100本の映画を観る事を目標にしていました。最終的には93本止まりになってしまったのですが、それなりに数をこなせたのかな?ということで、独断と偏見で選ぶ『2016年邦画ランキング トップ5』をご紹介したいと思います。(洋画を含めても良かったのですが、劇場に足を運んだ映画が邦画に偏っていたので、それっぽくしてみました...)

※ネタバレは極力避けているつもりです。もし気になった作品があれば、ぜひチェックしてみてくださいね

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※ランク外『君の名は。

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 最後までこのタイトルが出てこないと「???」となりそうなので、前置きという形で。

 別に天の邪鬼だからという訳ではないんですが、どうしても観ながら話の整合性が気になってしまったというのと、作品を見た後に残るものがなかったということでランキング外とさせていただきました。エンタメとしては面白かったんですけどね。

 では改めて、以下ランキングのご紹介です。

 

第5位『怒り』

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 「信じる」という行為の本質を表現することに挑戦したのが、この『怒り』という作品なのだと思います。

 家族・恋人・友人という、相手を信じることによって成立する人間関係。上辺の言葉で済んでいた「信じる」という行為の証明が、ある事件を契機に揺らぐことになる。そして、信じることの証明を他に求めたときに初めて、自分は本当に相手を信じ、愛していたのか、自分は本当に相手に信じられ、愛されていたのかということを考えるようになる。今まで信じていたものがも脆くも崩れ去ったときに初めて、本当の『怒り』という感情が湧き上がる。

 描かれているテーマの面白さもさることながら、抽象的なストーリーラインが具体的なエピソードに綺麗に昇華されていることで、没入できる物語に仕上がっていたのではないでしょうか。

 また、実力派の役者陣の熱演も見所のひとつでした。ゲイカップルを演じるために妻夫木聡綾野剛が同棲までしたというのだから凄い...。

 

第4位『アイアムアヒーロー

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  アクション映画といえば、資金の潤沢なハリウッド映画の十八番ですが、この映画はその常識を見事に覆してくれました。

 ゾンビ映画におけるホラー・スリルの体験という面白さだけでなく、ユーモアにアクションに心理的な駆け引きにと、ゾンビ映画という枠に囚われない、バラエティに富んだ面白さを内包しており、尚且つひとつの物語として無理の無い作りになっていたことで、唯一無二の映画体験が作り上がっていました。

 役者のネームバリューで映画を売ることが(残念ながら)通例になっている日本映画ですが、この作品では、主演の大泉洋をはじめ、役者自身がそれぞれに持つ魅力を存分に引き出すつくりになっていました。日本映画ならではの制約を逆手に取り、作品の魅力に結びつけたこの作品が、今後の日本映画のロールモデルになってくれればなぁ...なんて思ったり。

 

第3位『聲の形』

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 今年は『君の名は。』や『この世界の片隅に』など、ジブリ作品不在にもかかわらずアニメ映画が豊作の年でしたが、その中でも自分が一番気に入ったのが、この『聲の形』でした。「ある周囲の変化が主人公を取り巻く環境を掻き乱すことで、自分や他者の本物の内面に向き合わされる」という文脈の映画がたまらなく好きなのですが、この作品も、そうした文脈を持つ映画だったと思います。

 それぞれのキャラクターが、人間臭いという言葉では言い表せないほどに作り込まれていることもさながら、それによって、物語の展開に必然性がもたらされているという点が、理屈屋の私にとってツボでした。植野直花という存在を『悪』ではなく『ひとつの正義』として描いたことが象徴するように、『善と悪』という記号的・短絡的な対立構造ではなく、『正義と正義』の対立が描かれていたのが、キャラクターをないがしろにせず、また受け手が誰かに感情移入しながら観れる作りになっていたのだと思います。

 (まだまだ語り尽くせていない感があるので、また個別で記事が書きたいですね。 )

 

第2位『シン・ゴジラ

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  ヱヴァンゲリヲンQに拍子抜けした人間としては、旧エヴァの正当な後継作品として、ぜひこの『シン・ゴジラ』を推したいです。

  名将と呼ばれるような優れたスポーツ監督は、一から新しい事には取り組まず、経験から形成された自分の哲学に、新しい要素をフィットさせることで、次々に成功を修めています。庵野監督も、(旧)エヴァンゲリオンという成功体験の中で確立させた物語の”型”に、”ゴジラ”や”実写”といった今までの作品に無かった要素を次々にフィットさせることで、庵野監督にしか表現できないゴジラ映画を作りあげました。

 (あくまで個人の意見ですが)新エヴァは、本作とは対照的に、同じ要素(=エヴァの世界観や登場人物など)を使用しながらも、全く新しい物語の型 を模索している作品なのだと思います。しかし、野村克也アイデンティティが、古田敦也田中将大という要素ではなく、弱者の兵法という”型”であるように(細かい話をすると全然違ったりはするのですが)、庵野秀明アイデンティティは、エヴァという要素ではなく、旧エヴァとこの物語の共通点たる”型”なのではないでしょうか。そしてそのアイデンティティ再現性を証明した本作は、つまり、庵野秀明という男を証明した作品であるとも言えるのではないでしょうか。

 

第1位『FAKE』

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  1位に選んだのは、まさかのドキュメンタリー映画。上映館数も少なかったので、観ていない方も多いのかもしれません。「事実は小説よりも奇なり」という言葉がありますが、日本中の話題を席巻した事件の渦中にいた男を描いたこの作品は、単なるイロモノを期待した私の想像を遥かに上回るものでした。

 穿った見方を押し付けた日本のマスコミを批判する形で生まれた本作。この映画は、佐村河内守という男をありのままに切り取ることで、中正・公平に事実を伝えるべきというジャーナリズムのあるべき姿というものを、まさに体現する映画となっていました。

 この映画における表現の特徴として、監督であり撮影者でもある森達也氏が、恣意的な編集を意識的に排している(観客という第三者からは「排していると思われる」とまでしか言えませんが)点が挙げられます。着飾り切ることのできないであろう膨大な時間をカメラに収め、佐村河内氏や彼の妻の主張・発言や出来事は、加工しない事実のまま時系列で淡々と繋がれる。そして、そういった映像の中で、誰の目で見ても、誰の耳で聴いても確かだと言える証明を実行してみせる。「衝撃のラスト12分間」の謳い文句に、偽りはありませんでした。

 この作品のラストシーンを通して、あの事件における疑念を見事に晴らしてみせた佐村河内守、そして、この映画そのものを通して、ジャーナリズムのあるべき姿を自ら体現した森達也。借り物の言葉でいくらでも自分を虚飾できるこの時代において、二人が証明した自分自身の価値というものは、この時代だからこそ、より光り輝き、そして評価されるべきものなのではないでしょうか。

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 どの作品も、まだまだ語り尽くせていないのですが、年内に公開しないと意味が無いエントリーなので、今回はこの辺りで御勘弁ください。

 邦画だからと思考停止で批判している自称映画通も多いように感じますが、本当にもったいない!心当たりのある皆さん、2017年を「邦画に手を出す年」にしてみてはいかがでしょうか。 

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 では、次回の記事でお会いしましょう。良いお年をお過ごしください!

(  ◉ᴗ◉ )ノ⌒⑤┃賽銭箱┃

 

 

『響け!ユーフォニアム2』感想|田中あすか解体新書1/4

Anime Sound! Euphonium

 

 響け!ユーフォニアム2期が放送開始する直前に、Tumblrにて「響け!ユーフォニアム放送記念〜心理学的アプローチから田中あすかを紐解く〜」と銘打って、倫理的利己主義の観点と、ペルソナ理論における役割距離の観点との2点から、厚い仮面に覆われていた田中あすかの本性に迫るという内容の記事を掲載していました。

 2期が終了したところで、この作品を『田中あすかの物語』としたときに、本質的にはどのような事象が描かれていたのかについて改めて暴いてみたいと思います。

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①【1期】久美子や麗奈のように、一個人に依拠する(ある種では利己的な)欲求を持っている。しかし一方で、二人とは異なり、倫理的利己主義者的なアプローチでそれを解消している。

  1期で中心に描かれていたのは、久美子と麗奈の二人が、トランペットとユーフォニアムを通して(≠吹奏楽を通して)特別な存在になろうともがく物語です。

 内面から沸々と湧き上がる、「特別になりたい」という一個人に依拠する欲求。もしもこの物語が美術部を舞台にした物語であれば、久美子や麗奈はどうしていたでしょうか。きっと脇目も振らず、一心不乱に自分の世界に没頭する事でしょう。

 一方、この物語の舞台は吹奏楽部。吹奏楽部の活動を通して、「特別になりたい」という自己実現を図ろうと考えるならば、それは同時に、全員が一つの想い・目標を共有し、全てのメンバーが一致団結する(=他者に阻害されない)ことも必要にならざるを得ません(=必要条件)。

 しかし不運な事に(原作の武田さんは意図的にこのシーンを挟んだのでしょうけど)、10話・11話のソロオーディションのエピソードでは、一個人に依拠する欲求と、全てのメンバーの一致団結という両者が対立してしまいます。

 このとき麗奈は、演奏の実力でねじ伏せるというアプローチを選択しました。一方でその選択は、部の雰囲気を壊してしまうリスクをとるということでもありました。事実、滝先生が公開オーディションを行わなければ、部は不穏な雰囲気のまま、地区大会に臨むことになっていたでしょう。つまり、一個人に依拠する欲求を解消するための必要条件である全てのメンバーの一致団結が成立しなくなることになりかねませんでした。

 ここで、田中あすかに目を向けてみます。

 あすかも二人と同様に、「ユーフォが吹きたい・音と戯れていたい」という(2期でその詳細が明かされますが)一個人に依拠する欲求を持っています。しかし、その欲求解消を他者に阻害されないために、彼女は倫理的利己主義的なアプローチでそれを回避しました。その具体的な内容については、次回(12/30)の記事で触れたいと思います。

※参考

 倫理的利己主義とは、どのような規範が正しいかを考える際に、「自分だけの『幸せ』をもたらすものがよい」とする考え方で、「規範についての利己主義」である。 目的論の倫理学ではあらゆる行為を目的達成のための手段と考える。 そして行為の善悪は目的の善悪で判断する。 その究極の原理は「幸せ」をもたらすものは善である、というものである。

(中略)そこで賢い利己主義者はできるだけルールを守るようになる。 尊敬を集めるために、他者のためにしかならないと思えるようなこともするようになる。

(中略)だが、利己主義者がなぜそのようなことをしているのかの真の理由は「自分の幸せ」であって、他者の幸せではない。 他者を害しても自分は絶対報復されないような場合には平気で他者を害せるのが利己主義者である。 本当に倫理的利己主義が規範たりうるかどうか、は難しい問題である。

引用元:倫理的利己主義

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いかがでしたでしょうか?

今後の記事(本記事を含め3or4部構成を予定しています)をお見逃しのないよう、読者登録頂けると嬉しいです。さらに欲を言えば、SNSでのシェアやコメントなど頂けると励みになります。

では、次回の記事でお会いしましょう!

((ヾ(   ◉ᴗ◉  )ノ♡

 

 

 

『ズートピア』感想|進化を遂げたディズニーのミーム

Movie

 近年のディズニー作品の中でもエラく評判が高く、某Podcastでも大きく取り上げられていた事もあったので、劇場に足を運んでみる事にしました。ダイバーシティを描いた風刺映画だという取り上げ方がなされていますが、この物語の本質は、ディズニーのミームを現代ならではに進化させたものだと、私は考えます。

 ズートピアという物語は、様々な動物達が暮らす都市「ズートピア」で、新米警官の主人公ジュディが、詐欺師(?)キツネのニックとバディを組み、とある事件に挑んでいく…というお話。この物語のキモは、『ウサギに警察官が務まるはずがない』という周囲からの偏見を、ジュディは人一倍の努力によってはねのけ、一人前の警察官に成長したという所にあります。従来のディズニー映画の更に一歩先を行き、夢の美しさを掲げるだけではなく、その先にある『如何にして夢を叶えるか』という部分まで踏み込んでいる点は実に興味深く感じます。

 なぜ、ディズニーはこのような舵取りに踏み切ったのか、それは、『自由に夢を見ること』が現代社会においては不自然な描写となった(なってしまった)からではないでしょうか。

 「ズートピアは社会風刺映画である」という観点の話をしましょう。ジュディは『ウサギに警察官が務まるはずがない』という偏見にさらされてきました。これはまさに、現代社会に蔓延る『差別意識』と重なります。そして、そこにハッと気づかされる瞬間にこそ価値があるのだというのが、前述した大局の意見だと解釈しています。しかしその先にこそ、ディズニーの舵取りの理由があると、私は考えます。

 差別意識のいったい何が問題なのか、 それは人々の自由な生き方を奪ってしまう点にあるのではないでしょうか。どんな人でも自由に夢見る事が掲げられている、ダイバーシティを前提とした現代社会。しかしその実、人々の中には、黒人少年の射殺事件や働く女性問題に代表されるように、差別意識が根強く息衝いています。「夢見る事なんて馬鹿げている」という意識が社会問題として如実に顕在化している現代では、ディズニー的なファンタジー体験なんて提供できないというのが、ディズニーが舵取りに踏み切った理由なのではないでしょうか。この物語のように、差別・被差別を乗り越えるプロセスが描かれて初めて、夢あふれる体験というディズニー的価値の提供が可能となるのだと考えます。

 さらに重なるストーリーがもう一つ。それは創業者ウォルト・ディズニーの人生です。「そんなことできるわけがない」という周囲の反対のなかで、彼はあの超巨大プロジェクト、ディズニーランドを見事に成功させました。「ズートピアなんて結局おとぎ話。努力で夢は叶わない」という思いを嗤うかのようなこの仕掛けは、さすが天下のディズニー様です。

 『夢あふれるディズニー的価値』が、現代でも色あせない普遍の価値である事を、エンターテイメントの中で見事に証明してみせた本作は、ディズニーの歴史の中に堂々と肩を並べる事でしょう。クリエイターのみならず、多くのビジネスマンの方にも参考にしていただきたい傑作です。 

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この記事は、以前Tumblrにて公開していた記事ですが、一部、表現を加筆・修正しております。

(((  ◉ᴗ◉  )))

 

はじめに

Other

はじめまして。MetropolisHachiojiと申します。

 

当ブログでは、主に映画とアニメを中心に、スポーツ(NPBMLBプレミアリーグNBA)、ビジネス関連のトピック、ラジオ番組・Podcastなどから、ひとつのジャンル・コンテンツに焦点を当て、それらを出来る限り体系的・論理的に紐解いていきたいと考えています。

以前にもTumblrで同様のブログを書いていたのですが、本格的なブログとして改めてスタートしたいという思いから、こちらのはてなブログに移行しました。Tumblrで公開していた記事も、このあとこちらで紹介させていただきます。

 

では、今後とも当ブログをご贔屓頂けますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。(SNSでのシェアや読者登録、コメントなど頂けると大変励みになります...)

 

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